罪線シンドローム
混乱する脳内。
暴れ回る身体。

悲しみ……悲しみ……悲しみ。

そんな中、ほんの僅かな冷静さが選び出した感情。

……それは怒りだった。


人は悲しみに感情を委ねる事は出来ない。

怒りによって悲しみを軽減させようとしたのだ。


そして、その怒りの矛先は、この事件に関わりのある人間へと向けられたのだ。

とにかくその時の俺には、どこかの誰かに怒り……悲しみをぶつける事でしか、生きる術を見出だす事が出来なくなっていた。


いつしか始まってしまった、この“罪の線"を終わらせなければならない。


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