男×男!?
「何で突入しようと思ったのかな?」
「………。私1人だけ教室の外にいて、そのときに教室から友達の泣き声がしたからです。」
「福島エリさんだよね?」
「そうです」
いつの間にかあたしは校長室のあの黒いふかふかのソファーに偉そうに座っていた。
出た、あたしの癖。
「先生に言おうと思わなかった?」
「思いませんでした。」
「まだ生徒なんだから、大人に頼ろうね?」
『それに、今は体が男の子でも心は女の子なんだから、そんな事しちゃダメだよ?』
“女のヒーロー気取りもいい加減にしろ”
その刑事さんの言う事と、神楽の声が重なった。
「この高校には男の先生も多いんだし」
「っ!!」
「うるさいっ男なんて信じられるかっ!!!!」
そぅ言って校長室から出て行った。
ドアを乱暴に閉めて、そのまま立ったまま。
校長室からは、先生の謝る声が聞えた。
男なんて信じない。
そうだろ?
あんな奴ら。
平気に傷付く言葉を吐けるあいつ等なんて――…
嫌いだ。