男×男!?
「はい?」
神楽の声が響いて大きく聞える。
「……………。あたし、…入っても大丈夫?」
「いいけど?」
ガチャッ
脱衣場には洗濯機があって、そこに畳んだ服が2つあった。
「……ドライヤー…、使わせてね」
「どうぞ」
ドライヤーの大きな声がする。
どんどんあたしの髪の毛は乾いていってサラサラになる。
いつものあたしの髪の匂いとは違って、何だかふんわりした匂いがする。
「悠ちゃん…」
「…………何?」
「何あった?」
「……別に?ただ……」
「ただ?」
言った後にしまった。って思って後悔した。
口が滑った。
「……。」
「悠ちゃん…?」
ドライヤーしててうるさいのに、神楽の声は響いててよく聞えた。
「…………ただ、……男って不便だなって思っただけ」
「…………何で?」
「さっきさ、サクラ達が部屋で怪談してたんだよ。それ見てあたしも入りたかったけどここは学校じゃないしさ、隣の部屋にはあたしの本性知らない奴ばっかりだしさ。だから………少しメンドクサイなって思って……。」
「それなら入っててもよかったじゃん。悠ちゃんはしたかったんでしょ?怪談。だったらしたらいいじゃん。バレたら何とか誤魔化すとか本当のこと言うか、とか…」
「バレたら嫌だもん…」
「……そっか。」
「だから誰にも言わないで」
「わかった。」