男×男!?
「……」
肇はアイスを食べた後にリビングでそのまま寝てしまった。
こちらとしてはその方が安心する。
上には神崎がいるし。
「あ、充電切れた」
そぅ言えば昨日充電するの忘れてたんだよね。
ってか元々携帯はあんまり使わなくて、3日は充電しなくても保っていた。
充電器にさして来ようと思って上に上がった。
上に上がると女子組のドアが半開きになっていた。
いつもならしつこいぐらいに入るな!!と言っているのに、今は少しだけ開いている。
「?」
コンコンとノックをしてドアを開けた。
「………なんだ、神崎か…」
そこには神崎がタオルケットを枕にしてスヤスヤと寝ていた。
こぅ見ると、昨日との神崎を比較してしまう。
昨日も俺は神崎の隣で寝ていて、そのときの神崎と今の神崎は全然違って、今の神崎はすごい小さい。
肩幅も、背も、全部小さい。
俺は部屋に入って近くにあったかけ布団をゆっくりかけた。
かけた後に神崎の横髪は頬にかかっていて、それを退けるときに少し頬に触れた。
頬は柔らかくて、女子に触った過去ってあったっけ?と思わず思った。
さっきの神崎を思い出して、思わず手を引っ込めた。
さっきの神崎は、肩が震えてて、それから触れるのをやめた。
「おやすみ……」
カタンッ
ゆっくり優しくドアを閉めた。
親しくなれば、親しくなるほど、……神崎が脅えてて、俺は何かしたのかと不安になる。
神崎の過去は、思った以上で、何だか失礼だなって思った。
男が嫌いなのも、男が苦手なのも、自分を嫌っているのも、なんだか納得した。
そんな事、思わないでほしいのに……。
「……………何でこんなに苦しいのかな……。」
自分でも眉間に皺が寄っているのがわかる。
苦しい事してないのに、すんごく苦しいんだ。
何だこれ……。