男×男!?
外に出て、砂浜に出れる階段で家のすぐそこの砂浜で花火をする事になった。
「ってかここで泳げばよかったじゃん」
「あたしも昔そぅ言ったんだけど、ここはダメなんだって」
「へぇー」
「でも砂浜はいいんだって。だからここでしよ。海側はあんまり行かないで」
「わかった」
あたしはここでもコソコソと隠れていた。
あたしもだけど、みんな浴衣を着ている。
あたしは女用のを着ている。
神楽が貸してくれた人に女分を1つ足していたお陰。
あれから神楽はあたしの近くには来ない。
あたしも、
神楽も、
お互いに避けていた。
「ねぇ悠…」
「ん?」
「後でね、………神楽くんが戻り方教えるって」
「………でも今あたし女だよね?」
「ん~~…。何だか、今度男に戻ったらのときのために教えるって言ってたけど……」
「……………そっか」
『戻った時のために』
それを聞いたとき、何だか引っかかった。
それがわかったのは数分後。
神楽はいつもあたしと一緒にいたし、校門の前で待っていた。
あたしも、エリ達も、それが当たり前の生活になっていたのかも。
神楽は、今は自分がいるから。
自分がいないときのために今、教えるって聞えた。
「やんないの?花火」
「佐伯…」
「…。」
「ごめん。佐伯くん」
「あっいいんだ。悠にくん付けされると違和感あるし」
焦った感じで言う佐伯。
「あ、じゃぁ…」