男×男!?




できれば、1番あたしの前から消えないでほしい人。

いや、1番あたしの前から消えないでほしい人達。


しゃがんだあたしに、佐伯はあたしの頭にぽんっと意外に大きな掌を乗せて、そのままみんなの所に戻った。




「俺袋持ってくるな」

「あ、俺も便所行くから一緒に行こ」

竜喜と肇が家に戻った。


「「「「「「悠、おいで」」」」」」



大きな声で、でも竜喜と肇には聞えないように、みんなが言った。
あたしはそれが嬉しくて、浴衣で、地面は砂浜なのに走り出した。


あたしがみんなの所に行くと、みんなに囲まれた。
竜喜と肇が戻って来る短時間で、あたしはすんごい楽しみと、幸せさを味わった。





花火は無事に終わって、みんなと一緒に家に戻った。

それからリビングでお酒を飲んで、かなりの量を飲んでいた肇は、竜喜を巻き込みながら寝た。


それからあたし達は女子組の部屋に入った。
もちろん神楽と佐伯も一緒に。



「神楽くんわかったの?」

「まぁ随分前にわかってたんだけど仮定だったから。ってか今もそんなにわかってないんだけど;;」


「たぶん―――……」



「悠ちゃんは男になった前日に自分が嫌になったんじゃないのかな」
「女じゃなくて男になったらもっと楽だったのに、とかさ………」


「…………ぅん…」

たぶん…。

あの日はたぶん。帰りにあいつら3人に会った日だと思う。
帰りに会って、あたしは女子校に入学した事を知ったあいつらは、散々あたしを馬鹿にした。
それが嫌で、でもどんどん涙は出てきて、悔しかったけどその日は帰ってからずっと泣いていた。




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