男×男!?
嶋村さんは快く自分の家に招待して、その家に3ヶ月だけお世話になった。
世話好きの嶋村さんは神楽を気にいってそれからもよく食事に誘っていた。
神楽は嶋村家に悪いと思って、家出をして1年後に一切会わなくなった。
ある日、神楽が借りていたアパートに帰ると、玄関には実家に仕えていた執事がいた。
自分も小さな頃から遊び相手になってもらっていて、顔も性格もはっきりと覚えていた。
その執事が来た理由は、1回実家に戻って話をしよう。
という内容だった。
神楽は断ったけど、「来るのなら一人暮らし用に金はやる」と言われて行く事にした。
実際神楽はそのときお金が無くて、1日1食で、けっこう辛い日常だった。
実家に戻ると兄と両親。
話し合いって物じゃなかった。
一方的に言われただけ。
住む場所は指定内で借りる。
毎月金はやる。
本名は名乗るな。
必要以上に近づくな。
その4つ。
神楽はその4つを受け入れて、毎月お金を貰っている。
神楽はそれから2年間、そんな生活をしていた。
いや、16年間、そんな生活をしていた。
神楽は、高校から外の世界に出て、人と話した事など必要以上にしていなくて、いつも1人だった。
学校でも
家でも
1人で、……
その時に会ったのがあたしだった。
佐伯とは入学式のときに佐伯に懐かれてそれからずっと一緒だった。