男×男!?




「酷いな」

いつもみたいに笑って言うんだ。
この馬鹿は。






「あ、さっきの綿菓子?だっけ?あれ美味しいの?」

「えっ?」

「あんな綿でちゃんと味するのかなって思って」

「ぷっ」

「?」

「神楽のほうがおもしろいよっ」

なんなんだろうね。
今日の神楽は、変人で、かわいいんだ。




「食べる?綿菓子」

「でもさっきから女の子が食べてない?」

「じゃぁあたしが買うから隠れて神楽が食べなよ」

「何だよそれ。」

「いいじゃん。食べよっ」

そぅ言って今度はあたしが神楽の腕を引いた。


あたしは近くにあった綿菓子を売っている店に行って1つ買った。
買ったのはいいけど……神楽がいない。



「……神楽?」


「神楽っ!!」

「あっいた…」

「っ!!どこ行ってたんだよっ!!」

「どこってここなんだけど、ただ捕まってただけ。」

と言って後を指差した。

そこには女、女、女。
声には出していないけど、内心「わぉ;;」と神楽の凄さを改めて見た感じだった。


「あ、買ったの?」

「あっぅん…」

あたしは少し気になってるのに、神楽は気になっていない。
知っているのかな?
神楽の後ろにいる女の子の凄い顔を。
あたしは恐くて見てられなくて顔を伏せた。


「ちょっと頂戴」

って言ってまた、あのリンゴ飴を食べた時みたいに、あたしの手を引いて一口ぱくんっと食べた。




< 260 / 470 >

この作品をシェア

pagetop