男×男!?
「酷いな」
いつもみたいに笑って言うんだ。
この馬鹿は。
「あ、さっきの綿菓子?だっけ?あれ美味しいの?」
「えっ?」
「あんな綿でちゃんと味するのかなって思って」
「ぷっ」
「?」
「神楽のほうがおもしろいよっ」
なんなんだろうね。
今日の神楽は、変人で、かわいいんだ。
「食べる?綿菓子」
「でもさっきから女の子が食べてない?」
「じゃぁあたしが買うから隠れて神楽が食べなよ」
「何だよそれ。」
「いいじゃん。食べよっ」
そぅ言って今度はあたしが神楽の腕を引いた。
あたしは近くにあった綿菓子を売っている店に行って1つ買った。
買ったのはいいけど……神楽がいない。
「……神楽?」
「神楽っ!!」
「あっいた…」
「っ!!どこ行ってたんだよっ!!」
「どこってここなんだけど、ただ捕まってただけ。」
と言って後を指差した。
そこには女、女、女。
声には出していないけど、内心「わぉ;;」と神楽の凄さを改めて見た感じだった。
「あ、買ったの?」
「あっぅん…」
あたしは少し気になってるのに、神楽は気になっていない。
知っているのかな?
神楽の後ろにいる女の子の凄い顔を。
あたしは恐くて見てられなくて顔を伏せた。
「ちょっと頂戴」
って言ってまた、あのリンゴ飴を食べた時みたいに、あたしの手を引いて一口ぱくんっと食べた。