男×男!?
「行くぞ」と、言ってもこの人ごみを掻き分けて通るのは本当に困難。
でも神楽はあたしを置いてスルスルとこの人ごみを通っていく。
「神楽っ待っ…てっ!!」
さっきみたいに腕を伸ばしても神楽まで届かない。
「っ…;;」
ってか痛い。
人が動いてあたしの手はもみくちゃにされている。
「……っ///」
あたしの手をぎゅっと誰かが掴んだ。
腕から追っていくと―…
神楽だった。
灰色のラインの入った浴衣の後ろ姿が見えた。
さすがに恥ずかしくて布を掴みたくて必死に神楽の手から逃れようと引っ張ったら、神楽はあたしが飲まれそうになってしまうのと勘違いして、さらに強くあたしの手を握った。
「〜〜〜っ///」
神楽の馬鹿ぁ///
絶対わかってるからっ///
神楽は人ごみから抜け出してもまだ手を繋いでいた。
でもそのことに気付いたのか神楽から手を離した。
「………///」