男×男!?
「あっぶな…」
上からした神楽の声。
「っ///」
その声にあたしの顔は熱くなった。
車のライトで目が利かなくっていた目はだんだん効いてきて状況が読めてきた。
『あたしは神楽の腕の中にいる』
だった。
「ちょっ///」
「危なかったねぇ~」
「無視するなっ!!ってか放せっ!!」
「ってかあの運転手謝れよ。」
「っ…」
突然の神楽の低い声に恐くなって体をすくめた。
「大丈夫?」
いきなり開放されて、顔を覗き込まれて、ビックリした。
「…っ………ぅ・・ん……」
「悠ちゃん?」
「っ…大丈夫っ」
神楽の手はあたしの肩を掴んでいて、あたしはその手から逃れるために更に離れた。
すると神楽の手は簡単に離れた。
「かっ・・帰るっ…!!」
あたしの手は抱きしめられていたときと同じで、両手は胸の前に折りたたんでいて、あたしはそのまま神楽から離れて「帰る」と叫んだ。
あたしは後ずさりをしながら神楽から離れて、そして走り出した。
「悠ちゃん?」
何度も呼ばれた。
でも絶対に振り向かなかった。
走り出したところは家から少し遠い公園。
この前神楽を送りに行った場所だ。
あたしはそこから家まで走り出した。
浴衣で走りにくいけど、…走った。