男×男!?




「あれ?あれ神楽くんじゃない?」


学校から離れて一緒に帰っていたときに、スポバみたいな大きな鞄を持っている神楽を見つけた。


「本当だ。神楽くんじゃん」

って言ってチラッとこっちを見る女子組4人。

「だから何でこっち見るんだよ!!」

竜喜と肇に聞かれないように小声で言った。







「神楽くん!!」

由羅の呼び声に気付いてこっちを見た。

「どこ行くの?」

「実家」


いつもより興味無さそうに答える神楽。
けっこうな距離あるんだから大きな声で言ってほしいけど、確かに「実家」と聞えた。


「神楽くんって一人暮らしだったんだ…」

「親戚の家に住んでるって聞いてたけど?」

アイツ…嘘言って…。
アイツは一人暮らしだろ。
あんな景色のいい場所に1人だろ;;




「そっか。じゃぁな」


淡々とあたしは返事をしてポケットに手を突っ込んで家に向って歩き始めた。
後からはサクラ達が追いかけてくる。


帰ればいいじゃん。
あたしは怒っていない。
怒っている相手は神楽の両親だ。
散々アイツに酷い事してたのにいきなりアイツを呼び出すんだな。

で、……アイツは行くんだな。



腹立つ。
何でアイツの親はこんなに自己中なんだよ。
あいつ…何もしてねぇのに…。
酷いだろ。
アイツは好きでもアイツの両親は嫌いだ。
兄貴も両親も…。
嫌いだ。





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