男×男!?
あたしは亮介の部屋からTシャツを出して、着ていたタンクトップを脱いでTシャツを着た。
「……悠…。」
「あたしが行く。」
「…え?」
携帯と財布をポケットに突っ込んで部屋を出た。
「神楽探してくる。」
竜喜も由羅も、何も言わなかった。
毎回毎回あたしが神楽に関わるとからかうクセに、今日だけはしなかった。
竜喜と由羅も一緒にあたしの家を出た。
そこで別れてあたしは神楽の家に行く事にした。
由羅達はもぅ自分の家に帰させた。
神楽の家の位置、場所は覚えてる。
あたしはバス停まで走って、今来たばかりのバスの乗って、花火を見た坂道を登りきった。
つまり、バス一本で神楽の住んでいるマンションに着いたのだ。
あたしはそこからまた走り出した。
初めて行ったときから2回ぐらい1人で入ってるから入り方も番号も分かる。
30階の神楽の部屋。
チャイムを鳴らしても、物音1つしなかった。
そんな事、予想していた。
ドアノブを掴んで回すと―…
カチャ…
開いていた。
あたしは神楽の部屋に飛び込んだ。
でも、入ってすぐにわかった。
『神楽はいない』
ゆっくり部屋に入ると、
ホコリまみれの大きなテレビと、机と、ソファーがあったのに、
………何も無かった。