男×男!?
何回もコールが鳴るのかなって思った。
でも、神楽はすぐに出たんだ。
『悠ちゃん?』
「神楽…」
『どうしたの?珍しいじゃん』
ってクスッと笑いながら言った。
「珍しいって…。お前どこにいるんだよっ…、……部屋…すっからかんじゃないかっ……」
『あぁ……来たんだ。』
「来たんだって!!」
『あぁ俺あの部屋出たからさ』
「はぁ!!??」
「じゃぁ今どこにいんだよ!!」
『………さぁ?』
「………。」
なんだろう。
この気持ち…。
…………すげぇ殴りてぇ。
「殴るぞてめぇ…」
『………悠ちゃんこそ。…俺んとこ来たら怒るよ。俺、前に言ったよね。』
初めて聞く低い声。
ビクッとした。
でも―…。
「絶対に行く。それがあたしの基本で基準だ」
『…。』
『………言ってる意味は分かるけど……絶対に来させない。』
「………絶対行く。」
≪コンコン 榛遣様≫
『ばっ!!悠ちゃん来―』
プチッ
「……わかった」
携帯をパタンッと閉じて、神楽の部屋を出た。