男×男!?
あたしはそれからすぐに肇に教えて、肇と一緒に行くことになった。
肇はすぐに来て、服装はさっきのまま。
あたしは、下はジーンズで上はTシャツのまま。
あたしはリュックをしょっていて、その中にもしものために女用の服も入れて、携帯と財布をあたしと肇の分を入れた。
駅まで走って行って、丁度たった今来たばかりの電車に乗り込んだ。
電車の中でもあたしはソワソワして、落ち着きがなかった。
そんなあたしを見て、肇は眉を寄せて「落ち着けよ」と何回も言っていた。
さすがに電車に揺られて30分。
由羅と竜喜に無理やり起こされて寝不足のあたしは、残りの10分だけ寝た。
バスの中はすっからかんで、あたしと肇と運転手しか乗っていなかった。
バスの中では肇がガムを何個かくれて、あたしと肇は何も言わずに食べていた。
「そーいえばさ」
「?」
長い沈黙を断って話し掛けたのは肇。
肇はあたしが女だって知ってるから、3人用のいすに、間隔を開けて座っていた。
「神楽。全然変わったんだよ」
「?」
それがあたしに何の関係があるんだろう。
「入学して何ヶ月しか経ってないし、顔と名前知ってるだけだったんだけどさ、神楽けっこう有名でさ。」
「………。」
「入学試験は満点だって噂で、あの容姿だろ?それに先生には反抗しないし、スポーツはできるわ頭はいいわで、入学してすぐにもぅ有名人。」
「………。」
「でさ、その事よく思ってなかった奴らだっているわけでさ…何度か呼ばれたみたいだったよ?」
「……」