男×男!?
K高校の体育祭は種目が多くて人気らしく、他の学校の生徒や中学生も見に来ていた。
でも…引っかかるのは神楽の事。
何で特進のみんなと話ししてないんだろ。
少なくとも佐伯以外の1人くらいいるだろ…。
なのに、体育祭が始まって1時間半を過ぎた。
でも神楽が佐伯とサクラ以外の人と話しているのなんて見なかった。
見たとしてもたぶん他の学校から来た女子に捕まったときだけ。
神楽の事だ。世渡りなんて簡単そうなのに…。
変な奴。
『特別種目。障害物リレーです。参加者自由!!誰でも参加してください!!参加する人は本部まで来てください!!』
「神楽。これの事?」
「え?あ、あぁ…」
余所見をしながら答える神楽。
そんな事、1度も無かったからなんだか気になった。
「どうした?」
「ぃや、何でもない」
「…。…じゃぁ本部行ってくる」
「場所わかる?」
「わかるよっ」
なんとなく今の神楽は、1人のほうがいいのかなって思って1人で行った。
本当は本部の場所なんて知らないけど;;
「あ、ごめん本部の場所わかる?」
「え?ぁっ、むこうに赤いビニールテープを結んでるテントがじゃないですか。そのテントですよ」
「ありがとね」
「あ、いぇ…。借り物リレー出るんですか?」
「うん。…?」
「頑張って下さいね」
「ありがと」
そういうと場所を教えてくれた女の子は赤面をして顔を伏せた。
そぅゆぅ反応をするって事は今のところ“あの”顔ではないんだな…。
こんな人が多い所であの顔になってたまるかっ!!!!
「っ…!!」