人形と歯車
秋、

体育祭

佐藤はリレーのアンカーに決まった。



じぶんの名前を黒板に書いて、またか、と思った。



「以上で種目の決定しました。各自の委員会、部活動の係にあたっている人は後日変更も可能です」



佐藤がそうホームルームを終わらせる。



ダラダラとした時間が流れていた。



あれから夏休みをはさんで3ヶ月。



久家の話をするやつはいなくなった。



学校の噂が過ぎるのは早かった。須藤でさえ、久家の話をしなくなる。



「とりあえず帰る用意しろよ。チャイムが鳴ったら教室から出ろ」


目覚めの悪そうな顔をして担任は言った。



アクビしている姿が眉毛を書かれた犬に見える。



チャイムが鳴ると教室には誰もいなくなった。
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