人形と歯車
「久家?あぁネコのやつから連絡取れなくてさ。知らないよ」


真下が言った。


「どうかした?いまさら」


「いやあれからさ…気になって。ぼくが通らなかったらとか思ったこともあって。」


「気にすることはないよ。佐藤はたまたま通っただけだろ?」


「まぁそうだけど。」

「それにしてもネコを殺すなんて考えられないよ。優しいやつだったからな。ちょっと調子にのりやすいやつだったけど」


「坂上が気前がいいってこと言ってたな。そのこと?」


「あぁ。ふだんが気が弱いから金が入る度におごってくれたな」


「アルバイト代とかが入ったのかな?」


「アルバイトなんて出来ないと思うけどな。臨時収入ってだけしか言ってなかったな」


「よくあるの?」


「いや。たまに」


「ありがとう」


「いいよ。それよりうちのクラスで鉄板の使用許可っておりないのか?」


「聞いておくよ」


< 22 / 31 >

この作品をシェア

pagetop