人形と歯車
「足が速いくらいしか覚えてないな」


久家の印象を聞いた高坂はこう答えた。


「友達だったんだろ?」


「まぁあんまり他人に興味がなくて」


「そうなんだ。臨時収入の話を聞いてる?気前がよかったって聞いたけど」


「あぁ。気前はよかった気がする。よくおごってくれたしな。でも周りから見ればいじめてるように見えるだろうな。あいつひ弱な顔してるし。」


「まぁ見えなくもないかな?」


「いいんだよ。どっちでも。噂なんて。それよりも久家はあんなことをするわけなんてないんだ。気になるっていうなら遠慮なく聞いてくれよ。それで新しい犯人でも見付かったらあいつも学校にきやすいだろうしな」


「連絡は取ってないの?」


「携帯がつながらないんだ。家にもなんだか行きづらくてさ。」


「何があったか、というのも聞いてない?」



「聞いてないな。」


「ありがとう。また何かあれば聞くよ」



「いつでも」


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