人形と歯車
「本当は風紀委員に入りたかったんだけどね」



中井と須藤は笑った。



「どうした?」



佐藤が妙なものを見つけたような顔をした。




「いや何でもない。それにしてもモテモテだな」



須藤はまだ佐藤の方を見つめている女の子達に目をやった。



佐藤は振り向かず



「ミーハーなだけだよ。ネコの時と同じ。すぐに飽きるよ。」




「で、ネコの話なんだけど・・・何かわかったの?」



中井がたずねる。



「いや全然だな。」



須藤が肩をすくめた。




「いまさらだけど久家の家にいかないか?話だけでも聞いてみたい」




「ダダが行っても久家はいい気しないと思うけどな。」




須藤が答える。




「何もしないよりはいい、と思う。高坂にでも頼んでみるよ」




「いや高坂じゃなくてもいい。久家とも少年野球で同じチームだったから俺から連絡とってみるよ。家に。」




「出来る限りはやく会いたいな。」





「じゃあ今日だ。」

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