あたい彼女
 近藤邸から燃え広がった炎は、一年をかけて地球全体を覆いつくし、それを燃え盛る怒りの星に変えたのだ。

「トム。あなたの胸に、あたいを抱いて」

ユミは迫りくる地球に両腕を広げた。

大気圏を通過する際、ユミの体は燃え上がったが、彼女は気にしなかった。

万有引力のちからもかりて、すさまじい速度になったユミの体が地球に激突する。

ちいさな少女の恋は、ちいさなしぶきとなって炎の一部に飲み込まれた。

それは、人類の最期のひとりが滅んだ瞬間だった。



           おわり
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