あたい彼女
 検死報告書を書いていたマサのもとに、部下の今泉ヘビ子がやってきた。

「マサさん、また食べたのですか」

ヘビ子の表情にも言葉にも、突き刺さるような険がある。

「またお説教か。堅いこと言うなよ」

「駄目だって言っているじゃないですか。いつか本当にお腹を壊しますよ」

イライラしたヘビ子は、マサのデスクに置いてあった電話機からコードを引きちぎると、電話機を窓ガラスへ向かって投げつけた。
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