花火
朝十時、いつもより遅い時間にセットされた目覚まし時計の音で目を覚ました。カーテンの隙間から射す光が、今日も絶好の花火大会日和であることを知らせていた。いつもの様に枕元に置かれた携帯電話を開くと、一通の新着メールを知らせる表示がでていた。こんな朝からだれだろう?寝坊を心配した春香がメールを送ってきたのだろうか。今までデートに寝坊したことはないが、昨日のやりとりを思えば納得も出来る。それともまったく関係のない迷惑メールの類かもしれない。そんな風に訝しく思いながらメールを開くと、それは春香からのものだった。受信時間は七時を少し周った頃、やけに早い時間に一縷の不安が過ぎった。ゆっくりとメールの受信ボックスを開いた。