花火
受信から二時間近い時間が経過していた。もしかしたら体調も回復の一途を辿っているかもしれない。メールを返し、返事を待つのも疎ましく思い、直接電話をかけてみた。
一回、二回と呼び出し音が鳴る。その規則正しい電子音に、逆に苛立ちを覚えた。人がこんなに急かしているのに、なんと悠長なことだ。十回目のコール音が空しく響き終わった後に、諦めて電話を切った。もしかしたら寝ているのかもしれない、春香から連絡があり、『心配かけてごめんね。寝てたらすっかり良くなったよ。ちょっと約束の時間には遅れるかもしれないけど、ごめんね』そんないつもの調子のメールが来た時に備え、準備だけはしておこう。携帯電話の着信音をオンにし、ボリュームも最大に設定したところで、準備に取り掛かった。
一回、二回と呼び出し音が鳴る。その規則正しい電子音に、逆に苛立ちを覚えた。人がこんなに急かしているのに、なんと悠長なことだ。十回目のコール音が空しく響き終わった後に、諦めて電話を切った。もしかしたら寝ているのかもしれない、春香から連絡があり、『心配かけてごめんね。寝てたらすっかり良くなったよ。ちょっと約束の時間には遅れるかもしれないけど、ごめんね』そんないつもの調子のメールが来た時に備え、準備だけはしておこう。携帯電話の着信音をオンにし、ボリュームも最大に設定したところで、準備に取り掛かった。