花火
久々に一人で過ごす週末は、今日という日を待ち侘びて過ごした五日間以上に、長く、憂鬱な二日間になった。こうも暑くてはどこかに出かける気にもなれないし、それ以上にそんな気力はなかった。気付かぬ内に、春香は心の大半を占拠していた。改めて感じる彼女の大切さに気付けただけでも、収穫のある週末だったのかもしれない。
だが一方、夜になっても朝になっても連絡のないことに、苛立ちと不安を募らせていった。体調がよくなるのを待っていると言った手前、こちらから連絡するのも気が引けた。そもそも、一言くらい体調を知らせてきてもいいではないか?そんな葛藤と闘っていたが、事態は何も変わらなかった。たまりかねて携帯電話を手に取ったのは、長い週末の終わりを間近にした、日曜の夜十時だった。
『体調まだ良くならない?ずっと連絡ないから心配になって』
あくまでも冷静さを欠かず、優しさをこめてメールを送った。
返事が来たのはそれから三十分くらいしてからだった。
『心配かけてごめんね。お陰さまで、明日から仕事は行けそうだよ』
『じゃ良かった。来週は会えるよね?』
体調が良くなったことは素直に嬉しかった。後は一早く、いつも通りの雰囲気を取り戻したかった。そのためにも、来週の約束を決めてしまいたかった。
だが一方、夜になっても朝になっても連絡のないことに、苛立ちと不安を募らせていった。体調がよくなるのを待っていると言った手前、こちらから連絡するのも気が引けた。そもそも、一言くらい体調を知らせてきてもいいではないか?そんな葛藤と闘っていたが、事態は何も変わらなかった。たまりかねて携帯電話を手に取ったのは、長い週末の終わりを間近にした、日曜の夜十時だった。
『体調まだ良くならない?ずっと連絡ないから心配になって』
あくまでも冷静さを欠かず、優しさをこめてメールを送った。
返事が来たのはそれから三十分くらいしてからだった。
『心配かけてごめんね。お陰さまで、明日から仕事は行けそうだよ』
『じゃ良かった。来週は会えるよね?』
体調が良くなったことは素直に嬉しかった。後は一早く、いつも通りの雰囲気を取り戻したかった。そのためにも、来週の約束を決めてしまいたかった。