花火
「俺は何でもいいよ。そうめんなんて久しぶりだし」
思えば、お盆休みに帰ってくるなんて何年振りだろう。二年か三年は確実に立っている気がした。
「お兄ちゃんは久しぶりでも、私の記憶では三日は連続でそうめんだよ。折角お兄ちゃんも帰ってきたんだし、パーっとお寿司とかは?」
後部座席から身を乗り出した莉那が言った。
「お昼からそんな豪華な物用意出来ません。夕版は拓哉の好物を揃えるから、期待しておきな」
なんだかんだで、いつもより上機嫌な様子を見ると、久々の帰省を喜ばれているのが伝わってきた。
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