花火
それでも確実に時は過ぎ、辺りは闇に包まれていった。それは深く濃い闇で、東京の様々な明りに燃える夜空とは、まったくの別物だった。だがその闇のお陰で、空には様々な星達が瞬き、町全体を穂のかに照らしだしていた。東京に比べ勝る物は何一つない様な田舎だが、唯一勝るものがあるとしたら、この夜空だと思った。そんなことを考えていると、携帯電話が静かに振動した。
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