花火
親父は記憶にあるよりも、ハイペースで酒を飲んでいった。母親は「久しぶりに息子とお酒を飲めて、嬉しいのよ」などとちゃちゃを入れていた。莉那は莉那で「私も早くお酒飲みたいな、そうしたら仲間に加われるのに」などと、昔の様にごねていた。普段は寡黙な親父も、この日はやけに饒舌だった。そして僕自身、この家族団欒の一時を楽しんでいた。親にとって子供はいつまでも子供だと言うが、その子供も大人になれば、少しは付き合い方が変わるのかもしれない。
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