花火
「ビックリしたでしょ?私もビックリしたよ。まさかたっくんが、こんな所まで来るなんて思ってなかった。よくわかったね」
数多くの船が波に揺られていた。ここが船溜まりなのだろう。ハルカは振り向かずに、海を見つめながら問いかけてきた。
「…」
声が出なかった。何も言えなかった。問いただすつもりだったのに、なぜ急にいなくなったのか、納得するまで問い詰めるはずだったのに、言葉は一言も出てこなかった。
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