花火
「悪性の腫瘍で、胃にまで転移しているの。末期の癌で、お医者さんからももう、助からないって。手の施しようがないって。余命半年だって。分かったら帰って。帰ってよ!もうこれ以上私を苦しめないで」
泣き崩れながら春香は訴えた。その姿を見ても、何も出来なかった。涙も出なかった。目の前で起きていることを、受け入れることが出来なかった。
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