花火
『タクヤです。家に着いたので早速メールしてみました。ハルカさんはまだ電車ですか?そうだとしたら、気を付けて帰って下さいね』
あれやこれやと何度も打ち直している内に、十分以上たっていた。その結果がこれとは、自分の文才のなさに辟易した。
まぁ最初のメールならこれくらいが当たり障りないだろう。不思議なことに、あまり緊張感も感じないままに送信ボタンを押していた。この手軽な感じこそが、メールがここまで普及した一番の理由だろう。同時に、どこか無機質な感じは拭えきれないが、今はそのメリットに軍配が上がった。
画面にはメール送信完了の文字が浮かんでた。直後に送信エラーでメールが返ってくることもない、確認の為に新着メールを問い合わせてみるが、新着メールもない。どうやら無事にメールは送られたようだ。
< 26 / 427 >

この作品をシェア

pagetop