花火
『こちらこそ今日はお世話になりました。本当に渋谷から近いんですね?私はやっと家に着き、一休みしているところです』
餌を目の前に、待てをさせられていた犬が許しを得たかの様に、電光石火で返事を打った。
『おかえりなさい。返事きてよかった。家は小田急小田原線の梅が丘って駅で、渋谷までなら十分位なんだ。ハルカちゃんはどこら辺に住んでるの?』
だがすぐに返事を送るのもカッコがつかない気がして、少し時間を置いて返事を送ることにした。
五分立ち、十分たった頃には送信ボタンを押していた。早く彼女とのやり取りを再開したかった。
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