花火
会いたい、また会いたい
彼女とのメールのやり取りも、一か月という月日を重ねていた。カレンダーは六月三週目の土曜日を目前としていた。今日までお互いに会う、会わないなどの話題を口にしたことはなかった。あえて避けていた訳ではないが、自然とそういう話にはならなかった。
長いメールのやり取りの中、幾つか定着したこともある。毎朝『おはよう』というメールで始まり、『おやすみ』というメールで一日が終わる様になった。お互いの呼び名も変わり、春香ちゃんから春香に、拓哉さんから『たっくん』へと変わった。心は大分打ち解け、そろそろと頃合いを見計っている内に、チャンスは訪れた。
長いメールのやり取りの中、幾つか定着したこともある。毎朝『おはよう』というメールで始まり、『おやすみ』というメールで一日が終わる様になった。お互いの呼び名も変わり、春香ちゃんから春香に、拓哉さんから『たっくん』へと変わった。心は大分打ち解け、そろそろと頃合いを見計っている内に、チャンスは訪れた。