花火
その週の土曜は、久しぶりにお昼近くまで眠った。春香とのデートを重ねる日々が始まっていらい、土曜も平日通りに目を覚まし、慌ただしく準備を整え午前中から出かけていた。日曜は日曜で、洗濯だったり掃除だったりを午前中の内にすませるために、結局平日より一時間程度多く眠ったり、眠らなかったりする週末を過ごしていた。
天気は絶好の花火大会日和といった晴天。天気予報も今日一日の快晴を約束していた。時計の針は十二時の少し手前を指し、頭の中で素早く待ち合わせまでの時間を計算した。三時に待ち合わせだから、二時前に家を出れば間に合う。たっぷり二時間という時間があった。寝起きではあるが空腹を感じ、前日買って置いたパンと牛乳で軽い朝兼昼飯を取った。ゆっくりと身支度をしたが、それでも三十分程時間を持て余し、特番の再放送を眺めていた。
< 72 / 427 >

この作品をシェア

pagetop