不幸パラソル
ふと気が付くと私を遮る黒い影。

「真奈美、お昼のチャイムなったわよ。」

どうやらいつの間にかお昼休みになっていたらしい。
頭上に響く優しい声。

「眉間に凄いシワがよっていたわよ。何か悩み事?」

考え過ぎて仕事が手につかないとかありえないわ;
仕事とプライベートの区別もつかないなんてまだまだね。

「大丈夫よ!ありがとう。」

出来るだけ平静を装いそう答えた。

でもきっと上手くごまかせないわ。

「…そう。じゃあいいけど。余り思い詰めない事ね。美人が台なしだわ。」

少し間を開けて彼女はそう答えた。

ほらやっぱりね。鋭い彼女の事だから嘘はつけない。

「早くお弁当食べましょう。時間無くなっちゃうわ。」

「ええ。私お腹ペコペコだわ。」

そう答え私達は食事を開始した。
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