不幸パラソル
今日の仕事も終わり英美香に別れを告げ足早に帰宅する。

「何を着ようかしらこの服はこの前着たし、あの服は今日の気分にあわないし」

悩みながらも着々と洋服をコーディネートしていく。久しぶりのデートなのだから気合いが入るのも当然だ。

「遠山くんに久しぶりに会えるんだもの気合い入れなきゃ。彼喜んでくれるかしら」

女はいつまでたっても女なのだ。私は恋をするたびにいつもそれを実感する。

好きな男に会うために着飾る時は、乙女になってしまうものなのだと考えながら身支度を整えてゆく。
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