不幸パラソル
本当にピンクが似合わないのは事実だ。

どちらかと言えばブルーなどのクールな色の方が私には似合うのだ。

でも私には似合わないと理解していてもピンクにこだわる理由がある。

「遠山くんの好みがピンクの似合う可愛い女性じゃなかったら、こんな苦労しなくて済んだのにな」


そう私が頑なにピンクにこだわる理由は彼。

私の彼氏の遠山健吾はピンクが似合う可愛い女性が好きなのだ。

なんで私と付き合ってるのか未だに理解できなかったりする。

私よりピンクの似合う女性はたくさんいるのに…無理してピンクを身に纏う私なんかよりも、ピンクを違和感なく着こなせる女性の方がいいのではないか。


それこそ後輩の片桐英美香のような綺麗な女性の方が似合うはずだ。

私じゃ不自然だけど彼女なら違和感なんて感じないのにな

ため息混じりに私は暫く休めていた手を動かし化粧を施してゆく
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