不幸パラソル

着信音をたった今鳴らしている張本人の男

遠山健吾からの催促を受け気の乗らないままに電話に出る。


「真奈美〜ごめんごめん！！急に会議が入ってさ」


何よ会議なら会議ってもっと早くに言いなさいよ！
喉元まで出かかった言葉を何とか飲み込み、出来るだけ平静を装いながら答えた

「そう…仕事なら仕方がないわね。でも会議ならもっと早くに教えて欲しかったわ。」

「悪かったよゴメンな！忙しくて真奈美に連絡するのすっかり忘れててさ
」


ケラケラと悪気のカケラも見えない声を発する彼に対し、煮え繰り返る気持ちをなんとか押さえようと努力する私

「そう…わかった。じゃあ会議頑張ってね。お疲れ様」

「真奈美！本当に悪かったよ！！そうだ次！次は絶対埋め合わせするからさ；」


私の声が怒りで僅かに震えるのを感じとったのか慌ててフォローしようとする彼

流石にまずいと思ったのかしら