不幸パラソル
少し気をよくした私が甘いと痛感するのは後のこと

「わかった。じゃあ今度こそ約束よ?デート楽しみにしてるわ」

この際埋め合わせと言う言葉の引っ掛かりは気にしないことにした。

彼は確かに些細な私の変化に過敏に反応してくれた。それだけが紛れも無い事実なのだから。


「あーよかった!真奈美みたいな物分かりのいい女が彼女で俺って幸せだよな!!」


私が許すとすぐ調子に乗るのが彼の悪い癖

「ハイハイ次のデートが決まったら連絡してね?そろそろ会議始まっちゃうんじゃないの?」

「ああもうすぐ休憩も終わるし仕事に戻るよ。なあ真奈美お前携帯調子悪いんじゃないの?」

「えっ?どこも調子悪くないけど、どうして?」

「だって最初に真奈美の声聞いた時、掠れたみたいな変な声だったからさ携帯おかしいのかと思った」


彼の言葉に私は絶句した
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