不幸パラソル
今までの優しい気持ちなんてどこかに吹き飛んでいくのを静かに感じ、彼になんと返事をしようか
上手く回らない頭で考えた。


「真奈美?どうした大丈夫か?」


暫くぼーっとしていて遠山くんに返事をしていない事を思い出した。

「えっええ大丈夫よ;
少し考え事をしていたの」

「考え事?もしかして次のデートの事とか?せっかちだなあ真奈美はそんなに早くに俺に会いたいの?わかったよなるべく早めに連絡するからさ」


なわけないじゃない!!
この状況で誰が次のデートの事なんて考えるのよ!!

私は貴方の鈍感さに呆れて何も言えなかったのよ!!!

だなんて…言えないだって言ってしまったら貴方私を嫌いになるのでしょう?

「ええ…楽しみにしているわ。じゃあお休みなさい」

言えなかった言葉を押し込みながら震える声を絞り出しこう答えた


「ああお休み」

彼は何も気にせず、通話を終えた。

彼の通話が途切れるのを確認し通話終了ボタンを押す私。


貴方 私が最後に震える声をごまかさないで話したの気が付かなかったでしょう?

それとも気付いたけど気にならなかっただけ?

わからない貴方がわからない…

携帯をベットに投げ付け私は枕に顔を押し付けた
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