神威異伝




日向が“九尾の話”を話し終えた時、十夜が感心したように…へぇーっと呟いた。



「日向、話し方上手いんだな」
「ありがとう」



十夜からの誉め言葉に、日向は素直に応えた。


“九尾の話”を聞きながら整理していた荷物を、部屋の隅に置きながら理緒が口を開いた。



「小さい頃、日向“九尾の話”本気にしてものね」
「あぁ…。そうだったなぁ」



その頃の事を思い出したのか、日向が恥ずかしそうに頬を掻いた。


小さく笑い、理緒が日向をからかうようにその頃の事言い始める。



「あの頃、“九尾の話”をしてくれたお母さんに『“九尾”のふーいんを、とくかぎってどこにあるのっ?』って聞いてたね」
「あー…。うん、憶えてるよ…」



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