神威異伝



――――――――…

――――――…

――――…

―――…

――…

―…



『逃げるんだ…』


…十夜は、自分の頭の中に響いた声を不信に思い、瞼を開けた。

目の前に広がるのは、先程まで自分がいた筈の白山村の宿…なんかではなかった。


山の中。

しかも、夜中の真っ暗な山の中を自分が走っている事に気づいた。



―……いや、正確に言えば自分の体が自分の意志とは関係なく走っている。



< 114 / 237 >

この作品をシェア

pagetop