神威異伝
「十夜おはよう。何処に行ってたんだ?……そんな格好して」
鍛練を終えた十夜が自分が寝ていた部屋に戻ると、日向が出来たての朝飯を机に並べていた。
十夜が漆梁を置く。
「早くに目が覚めたからな。ちょっと走って、素振りしてきた」
腰に巻いていた服を取り、十夜が部屋を見渡した。
「……日向、理緒は?」
「理緒なら、まだ寝てると思うけど」
「はぁ?どんだけ寝てんだよ、あいつ」
頭を軽く掻き、十夜が呟いた。
日向が口を開く。
「十夜、理緒を起きして来てくれないか?俺はまだ朝飯の準備があるんだよ」
「あ?あぁ、分かった」
頷いて、十夜は理緒が寝ている隣の部屋の扉を開けた。