神威異伝
小さく微笑み、十夜が理緒の髪を撫でた時……。
「ん……ぅうん…っ」
微かに、理緒が声を漏らした。
驚いた十夜が、肩をぴくりと揺らす。
……そのまま理緒は目を開け
「………っ!!きゃあぁーっ!!」
ばっちーんっ!!
「いっ、てえぇーっ!!」
十夜の頬を思いっきり叩いた。
その力の強さに、思わず十夜は後ろに倒れ込んだ。
理緒が上半身を起こし、声を張る。
「何するつもりよ!!」
「何もしねぇよ!!」
「じゃあ何で上半身裸なのよ!!」
「これは……色々あんだよ!!」
嫌な夢を見て、早く起きて鍛練をしていた……と説明するのが面倒だった十夜は、色々あったと誤魔化した。