神威異伝




子を慈しむ母が、我が子の為に歌うような……そんな慈愛の歌。

その歌の優しい響きに促され、十夜の瞼は次第に落ちていき……歌が終わる頃には、完全に瞼が閉ざされていた。


(う……ヤバい、もう…駄目だ……)


睡魔に襲われ、十夜の意識が完全に遠のいてしまう寸前……女の声が耳に届いた。



『……おやすみなさい、   様』



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