神威異伝




「あいつらを追う、追ってこの呪いを解く方法を聞き出すんだ」
「……奴らの力、知らぬ訳ではあるまい?それでも…行くのか?」



賢雄の問いに、十夜は強く頷いた。




「俺、もうこの村のみんなに迷惑…かけたくねぇんだ」
「……そうか。お主なら、そう言うと思っておったわ」




賢雄は立ち上がり、少し離れた所にある棚から手紙のような物を取りだし、十夜の目の前に差し出した。


十夜が首を傾げる。



「大爺、これは…?」
「玄武国の城に儂の知人で呪術に詳しい者がおる。そやつに宛てた手紙じゃ、賢雄から聞いた…と言えば何か教えてくれるやもしれん」
「…ありがとう、大爺」



礼を言い、十夜は賢雄から手紙を受け取った。


そして、十夜が部屋を後にしようとした時―…




「…待って!!」



理緒が立ち上がり、十夜を呼び止めた。




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