神威異伝
理緒が部屋を出て行った後、賢雄は深いため息を吐いた。
そんな賢雄を気遣うように、日向が声をかける。
「村長…俺は、村長の言ってた事は間違ってなかったと思います」
「……ありがとうな」
賢雄がそう言うと、日向は小さく微笑んだ。
さて…と呟き、賢雄が腕を組む。
「少し十夜と話したい事がある…すまんが、二人だけにしてもらって良いかの?」
「はい」
賢雄の頼みを聞き入れ、日向と村医者は部屋を後にした。