恋心《短編集》
泣いて、泣いて…。


こうなることは予感していたはずなのに、涙は自分勝手に溢れてきた。


でも、しばらくしたら泣くのにも飽きた。


そして、からっぽの自分を抱きしめるように、膝を抱えて朝を迎えたのだ。



まず思い立ったのは、この部屋に点在するナオヤの物を集めることだった。



全部送り返してやる。



振られた女の意地だったのかもしれない。



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