恋心《短編集》
ナオヤが…。


ナオヤがくれた指輪…。


これをくれた時のナオヤの優しい顔が浮かんだ。


あの時は…ナオヤも私を好きでいてくれたんだ。




私は……。


今でもナオヤが好きだよ。


こんなに好きなのに。


どうしてダメになっちゃったんだろう。


どうして他に好きな人ができたの?


どうして…?


ねぇ、ナオヤ…。




「うぅ…ひっく…」


大きな涙の粒がポタリと落ちて…。


カップの底にゆらゆらと沈んで消えた。


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