恋心《短編集》
数日前…死ぬほど辛い出来事があった私の頭を、浩一は何も聞かずにポンとたたいてくれた。


子供の頃からずっと、浩一は私の味方で1番の理解者だった。




最高の幼なじみ。


そうやって浩一と一緒に育ってこれた事は、私にとって本当に幸せなことだった。


ただ、迷惑をかけるのは決まって私のほうなので、浩一にとっては不幸なことかもしれないが…。




「コウ?」


「ん?」


「いつもありがとう。コウは最高の幼なじみだね」



浩一の背中が一瞬ピクリと動いた。


「…ばぁ〜か。そんなしおらしいこと言うなんて、気持ち悪いよ」


そう言うと、浩一はいつものように楽しそうに笑った。


< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop