恋心《短編集》
私が泣いている間、浩一はまるで子供をあやすように、優しく背中を揺らしていた。



浩一の背中…。


いつからこんなに広くなったんだろう。


腕だって、声だって、いつから男の人になったんだろう。


昔は、男の子なのにお人形さんみたいに可愛かったのに。



浩一は…いつから男の人だったの?




何故か、そんな事を思いながら…私は空を見上げた。
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